解決の決め手になった「魔法の質問」とは?解決の決め手になった「魔法の質問」とは?

解決の決め手になった「魔法の質問」とは?

解決の決め手になった「魔法の質問」とは?写真
被相続予定者
ご主人
相続予定者
明美さん(85歳)
ご相談者
明美さん(85歳)
対象不動産
駐車場(群馬)
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ご相談内容

駐車場を売る?子供に残す?整理のつかない悩みの行方

相談者は杉並区在住の明美さん85歳。数年前にご主人を亡くし、その時に相続した群馬県にある駐車場を今後どのようにしていくべきか悩んでいた。何度か自宅近くの不動産会社に相談したが、『群馬じゃね~厳しいかも』『あそこなら●●円で売れるんじゃないですか』など真剣に取り合ってくれないばかりで、具体的なアドバイスは一切なかった。

そんな時、証券会社主催で行った『動き出した不動産市況の行方と新たな相続対策!』のセミナーへ参加し、その後の個別相談に参加された。

明美さんは、駐車場関係の資料をカバンから引っぱり出し、購入の経緯や不動産会社の査定額などについて熱心に話し始めた。ひと通り話を聴いた後、肝心の悩みについて質問してみると『遠方で見に行くこともないし、空車も増えて収入も減ってきているので。駐車場は、売った方がいいのか、それともとりあえず私の相続まで持っていて、その後は子供に任せちゃった方がいいのかしら?』『駐車場は手放しても年金で生活できるから大丈夫なんだけど、売ったときの税金(譲渡税)のことも気になるし、もし残す場合はこの駐車場を活用して相続税を安く出来ないかしら?』など整理のつかない悩みが次から次へと飛び出してきた。結局『これからどうしたらいいのか、さっぱりわからないのよ…』と困った顔でつぶやいた。

当事務所の 提案と解決策

全ての答えは自分自身の中にある!

話を聴いて、駐車場を生前または相続後で売却した場合の税制上の特例についてや駐車場の一般的な活用例と財産評価圧縮効果のことなどを話した。明美さんは興味深々で、『なるほど、こういう制度、方法があるのね』と頷きながらノートに書き込んでいた。

心を動かした質問

そして、明美さんに魔法の質問をしてみた『この駐車場を残してお子さんたちは迷惑なものを残されたと思ったりしませんか?』明美さんはハッとしてペンが止まった。『子供たちがどう思うかとか、今までそんな風に考えたことなかったわ。子供たちは駐車場を見たことすら無いだろうし、実際どう思っているのかしら…』と腕を組みしたまま黙り込んでしまった。『質問を変えますね。明美さんが相続人だったとして、もし、この駐車場を残されたとしたらどのように思いますか?』と聞いてみた。明美さんはしばらく押し黙り『安定した収入も見込めないし、負担ばかりよね。売るのも何かで活用するにも大変な不動産を残されたって思うかも』と心情を吐露した。

『それでは明美さん、明美さんが大変だと思う不動産をお子さんにわざわざ残すんですか?』語りかけるように質問すると、『そうね、節税や土地活用とか色々と考えてしまっていたけど、私は子供に大変な思いをさせたくないわ。これが本心ね、最初の気持ちを思い出したわ。松尾さん決めたわ、駐車場は売ることにする!』思い立ったような勢いだったが、明美さんはいくつかの魔法の質問を受け、相続の目的や本当の自分の気持ちに気付いたようだ。

これが我々の行っている個別相談の一部である。全ての答えは自分自身の中にある!それに自然と気付き、心が整理することをそっとサポートすることが我々にできることである。

所見

明美さんから、プロサーチに土地の売却を手伝って欲しいと依頼の連絡があったのはそれから数日後だった。まだ、1度しかお会いしていないが『真摯に話を聴いてくれて、本当だったら言い難いこともハッキリと言ってくれるところに好感が持てたの。そして気付かせてくれた松尾さんを信じて頼ってみようって思ったのよ』との言葉。本当に感激した。
しかし、本来なら喜んで売却のお手伝いをしたいところだったが、お断りした。理由は、駐車場付近(群馬県)の不動産マーケットに詳しくないこと、そして当社から片道4時間かかるため機敏な対応が難しく、お客様に負担いただくコストも増えてしまうからだ。事情を説明したうえで当社が信頼する群馬の不動産会社A社を紹介し、明美さんはプロサーチが太鼓判を押してくれるなら、とA社に依頼することになった。

相談を受けてから半年後、無事に駐車場が売却できたと明美さんから嬉しい連絡が入った。どうやら思っていた以上の価格で、しかも素敵な買主さんと巡り合えたようだった。
『松尾さん、悩みの種だった駐車場を手放して今は本当に清々しい気分なの。あのとき相談して本当によかったわ。個別相談を受けて、もらう人の気持ちになって考えてみることの大切さを気付かせてもらったわ。出会えなければ、未だ悩み続けていたと思うわ。ありがとう!松尾さんが紹介してくれたA社の佐野くんも、素人の私にも分かり易く売買のことなど色々と説明してくれたし、安心して任せていられたわ。何から何まで本当にありがとう。』と明美さん。結果として、お客様に喜んで頂き、我々はA社からも感謝され紹介料を頂くこととなり、三者WINが実現できた。

遺産相続コンシェルジュからのアドバイス

今回の明美さんのように、不動産などの資産についての悩みが先行していて、『なぜそうしたいのか?』『誰のためにすることなのか?』など目的やゴールを明確にしないまま進めている方がいます。目的・ゴール設定がないまま、進めて行ってしまうといずれ、『本当にこれでよかったのか?』『子供たちは喜んでくれるのか?』など迷うことがあります。不動産は活用するにしても組み換えるにしても大きな金額が動き、しかも後悔しても元に戻すことが難しいので、事前にしっかり自分と関係者の想いを描き、どのような対策を講じるべきかを検討することが重要です。 個別相談でいきなり具体的な対策を打ち出すことはほとんどありません。お客様の悩みを伺い、なぜそう考えているのか?なぜそうしたいのか?など質問をし、お客様の真意や希望を一緒に見つけています。一見遠回りかもしれませんが、お客様のことを分からずに解決案を出すこと、本当にお客様の立場になっての提案はできないと我々は考えています。いま悩みがある方は一人で悩むのではなく、客観的に質問やアドバイスなどをしてくれる専門家に相談してみてはいかがでしょうか。(記:松尾企晴)

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