現地が語る不動産の価値!

現地が語る不動産の価値!

現地が語る不動産の価値!写真
被相続予定者
田中正子さん(母・72歳)
ご相談者
母(72歳)、長男(47歳)、次男(44歳)、長女(40歳)
対象不動産
自宅、駐車場、預貯金(約5,000万円)

ご相談内容

相談者の田中さんは、3年前にご主人を亡くし、自宅と駐車場を相続した。田中さんは今後の生活のことや、万一自分の身に何か起こったら…と悩んでいた。そんな時、金融機関主催で行った『知って得する!相続の基礎知識と不動産相続の成功事例セミナー』に参加し、その後個別相談で具体的な話を伺うことになった。

現在田中さんは、年金と駐車場からの収入で生活をしている。しかし最近駐車場は空車が目立ち、収入は落ち込んでいるという。また毎年かかる自宅と駐車場の固定資産税などで資金の余裕はあまりないとのことだった。
ご主人の相続税申告を行った税理士さんに、今後の相続について相談をしたところ、現在の純財産総額は約3億円、結果相続税は約4,500万円かかると言われているようだ。
田中さんは、いずれ自宅は面倒を見てくれている長女に残したいと思っているが、相続税を抑えながら2人の息子達にも少しは財産を残してあげたいと話していた。

現場が語る不動産の価値!

話を聞いて駐車場の活用方法や相続税対策など一般的な事柄を説明した。併せて①駐車場になっている土地のマーケットを的確に把握すること②将来の遺産分割は共有を避けること③今後生活に必要な収入を把握することなどについて話した。田中さんは熱心に聞き入り不動産の調査・相続対策をその場で依頼して帰っていった。
2日後、早速現地調査を行うため駐車場に行ってみた。自宅から遠いため、田中さんは相続以後一度も現地を訪れたことがないと言っていた。
駐車場は駅から徒歩16分くらいの閑静な住宅街にあった。昼間のせいか対象の駐車場には車が一台しか停まっていない。近隣を歩いてみると他の貸駐車場も『月極め募集中』の看板が目立ち、かなり空いている様子だった。周りの戸建て住宅には敷地内に駐車場スペースがほとんど確保されているのも確認できた。続いて賃貸マンションやアパートに関して、地元の不動産業者に聞き込みをすると、「空室が多い」「募集しているがあまり反響がない」といった感じで賃貸マーケットは冷え切っている様相だ。この立地環境で新たに賃貸アパートを建てたら、新築時から数年間は良いとしても、その後入居者確保に苦戦することは明らかだ。実際に現地を見て、マーケットを肌で感じたことで田中さんへの相続対策の提案イメージが固まってきた。

依頼から1ヶ月後、田中さんのご自宅へ伺い、顧問税理士さん同席で報告開始!
まず不動産マーケットや近隣状況について説明すると「まさかそんな状況だったとは…」と驚いていた。そして我々は最終的に「以上の不動産マーケット等から考慮して無理して建物を建てて有効活用するべきではない。将来の収入アップも期待できないし、借入金をするリスクを負うことも無いのでは?」と話し、「ただし、戸建て用地としてはそれなりの価格が出ると思うので思い切って売却し、その資金を活用して都心部の駅に近い立地の良い区分マンションに資産を組み換えては?」と提案した。この対策は相続税の圧縮と収入アップの両面に効果がある。予め用意した試算表(当社の税理士作成)を基に分かりやすく説明を続けた。加えて、今ある現金の一部を生命保険へ組み換えることをお勧めした。これは生命保険金の非課税枠を最大限に使うためと遺産分割や納税財源確保のためだ。ただ、将来相続税の改正が行われ非課税枠が使えなくなるリスクも当然伝えた。

資産を組み換かえて子供達にバランスよく財産を残す!

顧問税理士さんと相談の上、提案した対策を実行することになった。駐車場の売却活動はプロサーチが窓口となった。戸建て分譲用地として限定した数社の不動産会社から購入価格の提示を受けた結果、最高額1.5億円と非常に満足できる価格が示された。田中さんと顧問税理士さんと打ち合わせの上この価格で売却することを決めた。そして売ったお金で、都心の駅に近くて立地の良い中古マンション4戸(戸あたり3,000万円、表面利回り約6%)に組み換えを決めた。この行動の結果、純財産額は3億円からなんと2億円へ圧縮され、収入は年間約100万円から約720万円にアップした。そして生命保険は子供3人へ500万円ずつ計1,500万円分加入した。
結果、相続税は4,500万円から1,800万円へ大幅に圧縮され、総額子供一人当たりの相続税額は600万円となり、現預金や生命保険金で十分納税ができることとなった。
併せて、将来の分割は老後の面倒をみてくれている長女に自宅を、息子達に区分のマンション2戸ずつ分けることを決め、各々に話して聞かせた。皆快く納得したようだった。やっと、今後の相続税や遺産分割の心配がなくなり、様々な悩みから解放され安心した様子だった。

遺産相続コンシェルジュからのアドバイス


相続対策として駐車場や畑、更地などに「アパートを建築して…」と営業されているという話を良く耳にします。しかも大きな会社が長期に一括借り上げしてくれるから安心。本当にそうでしょうか?今後人口が減少していく日本において20年も30年も長期で安心なんて不動産マーケットは無いのではないでしょうか?ただ単純に相続税を減らしたい一心で無理な借入金をして建築をしてしまって、ゆくゆくローン返済に困窮しては本末転倒です。将来困らないように客観的に自分の土地のマーケットと価値を十分に理解し、対策の目的を明確にすることが大切です。相続財産評価を下げたり収入を増やすには、建てるだけでなく事例のように上手に組み換える対策も有効です。まずはどのような方法があるのか不動産と相続・税務の両面に詳しい専門家に話を聴くことをお勧めします。(記:松尾企晴)

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