【プロが解説】空き家となった実家、処分するにはどうすればいいの? 処分方法と放置したときのリスク

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【プロが解説】空き家となった実家、処分するにはどうすればいいの? 処分方法と放置したときのリスク写真

2020.11.10
更新 2023.9.20

 
親から実家を相続したけれど、そのまま空き家状態になっているケースがあります。
 
自分の住まいがあるから実家を使う予定がない。
遠方なので実家を管理するのも大変だ。
親の私物を片付けるのも億劫だ。

 
何かしないといけないと思っていても、「忙しいし、いつか考えればいいか」とついつい後回しにしていませんか?
 
何も対策せずに空き家のまま放置することで、リスクが生じる可能性があります。
 
本記事では、空き家を放置するリスクや、処分したいと考えたときの売却方法等についてお伝えいたします。
現在空き家で困っている方や、将来誰も使う予定のない実家を相続する予定がある方は是非読み進めてください。
 
 
今回のポイントは以下の通りです。

・空き家を売却や賃貸するときも、それぞれメリットとデメリットがある。空き家の状態や周辺環境などから、手段や時期を慎重に判断し進めることが必要。
 
・空き家を放置することで起こり得る5つのリスクは、「①倒壊等によるリスク」「②維持・管理費の負担」「③近隣住民に迷惑をかける可能性がある」「④売却できない負の不動産を残すことになる」「⑤税制優遇が受けられなくなる」
 
・地方自治体の空き家サポートには、空き家バンクやリフォーム費用の補助、相続土地の国庫帰属制度などがある。
 
・空き家処分の方法には3つあり、「①不動産仲介会社に依頼する」「②不動産買取業者に買い取ってもらう」「③不動産の引き取りサービス事業者に引き取ってもらう」

 
 

 空き家を売るときと貸すときの注意点


 
空き家を売却、賃貸するときの注意点などについてお伝えします。
空き家を売却や賃貸で考えている方は参考にしてください。
 

 売却

空き家を売却するには、更地にしてから売却するか、空き家のまま売却するかの2通りあります。
 
空き家のまま売却する方が手間は少なく楽なのですが、建物を解体して更地にしたほうがいいケースもあります。
また、それぞれメリットやデメリットがありますので、見ていきましょう。
 

更地にして売却する

空き家を解体し、更地の状態にしてから売却する方法です。
 
築年数が古く建物が朽廃している、柱や壁などの躯体が傷んでいる、多額のリフォーム代がかかる、などの場合は、基本的に建物を解体して売りに出すことになります。
 

【更地売却のメリット】

更地で売却することのメリットを2つお伝えします。
 
1.買い手がつきやすい
建物も敷地内もきちんと管理が行き届いていないと「住むイメージが湧かない」、「悪いイメージが先行」、「敷地全体のイメージも掴みにくい」等、売れにくくなることがあります
 
更地にすることで敷地全体を見渡すことができ、住むイメージが湧きやすくなるため、買い手がつきやすくなるでしょう。もちろん、更地にした後の雑草処分などの手間を惜しんではいけません。
 
2.火災などのリスクが減る
建物が無いため、放火や火事による隣地への損害も心配ありません。建物にかけていた火災保険料も必要なくなります。
 
 
その他、不審者に不法占拠される恐れが減ることや、一人暮らしの親から相続した実家を更地で売却する場合、『相続空き家の3,000万円特別控除』という、売却時の税負担(譲渡所得税)を減らせる税制上の特例が使える可能性があります。
※令和5年度に、建物解体の時期について等の改正がありました。
 
代表的な適用要件は、下記の通りです。

・昭和56年3月31日以前の建物であること
・耐震補強をする、又は、更地で売却する

※他にも要件はあります。
 
数百万円もかけて耐震補強をして売却する方は少ないため、現実的には更地売却で、当該特例を使うケースが多いでしょう。
 

【更地売却のデメリット】

メリットがある一方で、気を付けたいことが3つあります。
 
1.解体費用がかかる
解体や私物等の残置物処理といった費用を用意する必要があります。
 

解体費用の目安
・木造家屋 1㎡あたりの単価:約2万円
・鉄筋家屋 1㎡あたりの単価:約4万円

 
木造家屋で建物の床面積が100㎡とすると、100㎡×2万円=200万円です。
道路の幅、外構、庭石、アスベストの有無などによっても費用は変わります。事前に解体業者さんから見積もりを取りましょう。
 
残置物の処理代は、床面積100㎡(3LDK)で私物や家財等がそのままの場合は、100万円~150万円くらい覚悟した方が良いかもしれません。
 
2.不法投棄される
空き缶や家電製品などを不法投棄されることがあります。
その際、近隣住民からの苦情や撤去費用の負担などが発生します。
 
事前に防ぐことは大変ですが、部外者が敷地に入れないようにロープを張る、不法投棄者発見時の対応を看板に書いておく、人感センサーライトを付ける、などの対策が必要でしょう。
 
3.固定資産税が高くなる
更地にすると固定資産税が4倍近く上がります。
住宅用地(建物が立っている土地)は、特例で固定資産税が軽減されています。空き家も対象ですが、建物を解体して更地になると特例の恩恵(軽減措置)を受けられません。
 
ですが実際には、更地にした翌年の1月1日時点で更地のままになっていると、その年(1年間分)の固定資産税が上がるということになります。
 
たとえば、2023年9月に建物を解体し更地にした場合。
2024年1月1日時点でも更地のままだと、2024年分の固定資産税が上がります。
 
2024年1月末に建物を解体し更地にした場合。
2024年1月1日時点では住宅用地(建物が立っている土地)なので、2024年分の固定資産税は上がりません。
 
つまり、空き家を更地にするタイミングもしっかり意識して進めることが大事です。
 

建物ごと売却する(現状引渡し)

空き家を解体せず、現状のまま買主に売却する方法です。
 
築年数が浅い、メンテナンスが行き届いているなど、建物がまだ使える状態の場合は、現状のまま売却することができるでしょう。これを「現状引渡し」といいます。
 

【現状引渡しのメリット】

現状のまま引き渡すことのメリットは2つあります。
 
1.解体費用がかからない
解体せずそのまま引渡しするため、解体費を用意する必要はありません。
ただし、私物等の残置物撤去費用はかかりますから注意しましょう。
 
2.固定資産税が上がることを気にしなくていい
住宅用地(建物が立っている土地)のため、しっかりと管理していれば、固定資産税が上がる心配はありません。
 

【現状引渡しのデメリット】

現状のまま引き渡すことによるデメリットは2つ考えられます。
 
1.契約不適合責任を問われる可能性がある
不動産を引き渡した後に、建物や設備等に不具合(アスベストの発見、柱など建物の躯体が腐敗、シロアリの害、給湯器の破損など)が発見された場合、買主から契約不適合責任を問われ、損害賠償等を負うことがあります。
 
2.買い手がつきにくくなることもある
所有者はいい建物だと思っていても、検討者も同じように考えるとは限りません。
建物の間取りや設備スペックなどを要因として、買い手がつきにくくなることがあります。
 
間取りを大きく変えられるかどうか、改築リフォームできるかどうかも重要です。
現状のまま売却するときは、検討材料として竣工図など建物情報を開示できるよう準備しておきましょう。
 

 賃貸・有効活用

空き家を賃貸したり、空き家を解体し賃貸用の建物(アパート等)を建てたり、収益を得たりする方法です。
 
賃貸や有効活用をするときは、いくらで貸せるのか、建物のリフォーム等にどのくらい費用をかけるべきか、周辺マーケットを調査した上で取り組む必要があります。
 
空き家を賃貸するときのポイントは、下記記事をご覧ください。
 
■関連記事
空き家の実家、どう活用する?賃貸する前に確認しておきたい3つのポイント

 
 
※注意点
生前または相続後に賃貸してしまうと「相続空き家の3,000万円特別控除」は、適用できなくなります。
将来的に売却を考えているようでしたら、賃貸と売却する場合の収入などを検証した上で実行することを推奨します。
 

 無償で譲渡する

第三者間(他人同士)の取引は、売主と買主が合意した価格(無償も可)で譲渡することができます。
ただし、同族間(親子や親類など)の取引では、時価相当額(相続税評価額、公示地価など)で取引しないと低廉贈与したとみなされ、贈与税がかかることがあるので注意が必要です。
 
 

 空き家を放置することで起こり得る5つのリスク


 
空き家を放置してしまうと、様々な問題に見舞われることもあります。
問題を未然に防ぐためにも、どのようなリスクが潜んでいるのかを見てみましょう。
 

 ①倒壊等によるリスク

老朽化した一戸建ての建物やブロック塀などは、地震や暴風で倒壊したり、破損した建物の一部が隣地などに飛んでいったりします。
 
このようなとき、所有者の責任にはどのようなものがあるのでしょうか。
 

<事例>
親から相続した築40年の一戸建て(空き家状態の実家)。
相続した子どもAは遠方に住んでいて、年に1回程度様子を見に行っていた。
 
ある日、近所の方から「あなたの家の門扉が急に倒れてきて、足に当たって怪我をした」と連絡があった。

 
この場合、その家に住んでいないAさんに責任はあるのでしょうか。
 
答えは、「Aさんに責任がある(損害賠償義務を負う)」です。
 
民法上の規定で、建物の使用者がいない場合は、所有者が責任(損害賠償義務)を負います。
これを「無過失責任」といいます。
 
空き家でも、不測の事態に対応できるよう、火災保険、施設賠償責任保険などに加入しておくことが大切です。
 
また、周辺住民を不安にさせるような倒壊リスクがある空き家は、行政から管理状態の改善を求められることがあります。
 
改善要求に従わない場合、「助言、指導」「勧告」「命令」と段階を経て、固定資産税も約4倍に上がります。
また最終的には「行政代執行」で強制的に取り壊しをされ、その取り壊し費用は所有者へ請求されてしまうのです。
 
 

 ②維持・管理費の負担

親から相続した分譲マンションの管理費等は、その分譲マンションに住んでいなくても負担する必要があるのでしょうか。
 

<事例>
相続によってマンションを引き継いだBさん。
住んでいるわけじゃないからと管理費・修繕積立金を滞納し、管理組合から督促を受けているにも関わらず、支払わずにいた。

 
この場合、Bさんはどうなるのでしょうか。
 
答えは、「Bさんは管理組合から訴訟されるリスクがある」です。
 
マンションに居住しているかどうかは関係なく、所有者は管理費等を負担する義務があります。そのため、払わずにいると訴訟を起こされることもあります。
 
これは別荘も同じで、管理費を支払わないと別荘を差し押さえられたりします。
親から相続するときは、管理組合などに対して滞納がないかどうか確認が必要ですね。
 

 ③近隣住民に迷惑をかける可能性がある

空き家の管理はとても大変です。
 
雑草や樹木の枝葉が伸び、隣地や道路にまで出てしまう。
ハクビシン等の獣が住みついて、臭気がひどくなる。
浮浪者等が住みつき、犯罪の温床となる可能性がある。
 
このように、空き家を放置していると近隣住民にも迷惑をかけてしまいます。
 
定期的な見回りができない場合、空き家管理業者等のプロなどに依頼しておくことが必要でしょう。
 

 ④売却できない負の不動産を残すことになる

親の生前や相続後にもっと早く行動していたら、売却できたかもしれない。
このように悔しい思いをされる方もいます。特に、不動産の取引が少ない地域です。
 
ご近所にお住まいの方に「購入しませんか?」と声をかけると、
「10年前に声をかけてくれたら、娘の家を建てる土地として買っていたのに」
「隣接地は数年前に売ってしまったよ!声をかけてくれたら売却相手に一緒に売れたかも」
 
など、「もっと早く言ってほしかった!」といったお返事が返ってくることが、経験上多いと感じます。
 
特に困っていないからと空き家状態で放置してしまうと、いざ売ろうとしても売れないということもあります。思い立ったら行動に移したいですね。
 

 ⑤税制優遇が受けられなくなる

『相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで』に売ることで、『相続空き家の3,000万円特別控除』を使うことができます。
 
しかし、空き家状態のまま何も考えないで行動にも移さないでいると、いつの間にかこの3年が過ぎ、せっかくの税制優遇を受けられなくなるかもしれません。
 
他にも、『取得費加算の特例(売却するときの税制優遇 ※相続発生から3年10ヶ月以内の売却)』が受けられなくなるなど、時間が経過すればするほど不利になるばかりです。
 
この他、空き家を放置し近隣等に悪影響があると、特定空家等や管理不全建物に該当することになるでしょう。そうなると、固定資産税等の減免優遇を受けられなくなり、土地の固定資産税等が約4倍になります。
 
他の要件などを詳しくお知りになりたい方は、こちらの記事をご覧ください。
 
■関連記事
早くしないと損をするかも?『相続空き家の3,000万円特別控除』を使って、空き家の実家を賢く売る4つのポイント

 
 

 空き家問題に対する行政の取り組み

行政・東京都庁
 
空き家は年々増え続け、社会問題化してきています。
そこで行政は、空き家の売却や賃貸、有効活用をサポートする施策を打ち出してきています。
その中から3つ紹介いたします。
 

 1. 空き家バンク

空き家バンクとは、地方自治体が空き家の賃貸・売買を希望する人から申し込みを受け、空き家の利用を希望する人に紹介する制度です。
 
不動産取引が活発ではないエリア(地方圏、人気のない別荘地など)や、価格が低廉な不動産は、不動産会社も積極的に取り扱いません。
その場合は売りたくても売れないため、空き家バンクについて地方自治体の担当課へ相談してみてはいかがでしょうか。
 

 2. リフォ―ム費用の補助

住宅のリフォーム費用を補助する制度もあります。
思い入れがあるから手放したくない、売るときまで貸しておきたいというご相談を受けますが、毎度ネックになるのはリフォーム費用です。
他県から移住してきてもらいたい地方自治体は、このような補助を実施しています。貸すことを検討している方は要チェックですね。
 
自治体によっては解体費の補助金もあるようです!
あわせてチェックしましょう。
 

 3. 低未利用地の特別控除などの税優遇、相続土地の国庫帰属法の創設

空き家といっても、中心市街地にある空き家と、売るのも一苦労の場所にある空き家がありますよね。
 
一苦労な空き家は、代々放置され続け、いつしか所有者不明となることがあります。政府はこれをとても問題視しています。
 
このようなことが起きないよう、売却価格が低い土地を売却するときの税制優遇や、国が土地を引き取る「相続土地の国庫帰属制度」を創設しました。
 

低未利用地の特別控除とは

売却代金が500万円以下のときに、譲渡所得金額から100万円を控除できるものです。
相続した空き家を売るのであれば、譲渡するときの税率は約20%(長期譲渡税率)ですから、この特別控除を使うと最大20万円も手取りを増やすことができます。
※令和5年度の税制改正により、一定条件下で売買代金800万円以下となるケースもあります。
 

『相続土地の国庫帰属制度』とは

相続した土地に限り、国が有料で引き取ってくれる『相続土地の国庫帰属制度』という制度があります。(令和5年4月27日施行)
ただし、引き取るのは相続した土地のみのため、建物が建っている場合は建物を解体して更地にする必要があります。
 
もし売れない・貸せないような空き家であれば、更地にして国に引き取ってもらうことも選択肢の一つになるのではないでしょうか。
 
弊社の関連会社であるLandIssues株式会社が作成した相続土地の国庫帰属制度概略をまとめたサイトです。ぜひご覧ください。
https://land-issue.com/national-treasury-attribution-law/
 
もっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
 
 
■関連記事
どうなる土地問題?相続した土地を放棄できる制度が創設。売れない貸せない不動産の処分方法も解説!

 
 

 空き家を速やかに処分するには?

空き家
 
固定資産税や管理費用の負担、管理の手間がかかるから、出来るだけ早く手放したい。
しかし、空き家がなかなか売れない、という場合はどうしたらいいのでしょうか。
 

 ①不動産仲介会社に依頼する

一般的には不動産仲介会社に依頼します。
しかし売りにくい、価格が低い不動産はなかなか積極的に取り扱ってくれません。
 
そのような背景から、宅地建物取引業法が改正され、価格400万円以下で売買した場合の仲介手数料が最大18万円(税別)となりました。
 

(例)
価格100万円で売買した場合。
 
改正前:100万円×5%=5万円+税
改正後:最大18万円+税

 
仲介手数料報酬額が上がったことで売主さんにとっては負担が増えますが、不動産会社にとっては活動経費が増えるため、仲介活動に力が入るようになったのではないでしょうか。
 

 ②不動産買取専門業者に買い取ってもらう

なるべく早く売りたい場合は、不動産買取事業者に買い取ってもらう方法がいいでしょう。
個人の方への売却との違いは、買い手を探す手間が省けることです。
 
不動産買取事業者はたくさんいますから、個人の買い手を探すより早く売却できます。
 
弊社独自の『限定入札』という方法もあります。
 

・応札する買取事業者を5~10社ほど選定
・入札期限は1ヶ月半
・売主の都合のいい条件で入札する
・価格が売主の希望額に届かなければ売らなくていい

 
この方法で進めると、業者さん同士を競わせながら価格を上げ、最短で2ヶ月~3ヶ月で売却することができます。
 

 ③不動産の引き取りサービス事業者に引き取ってもらう

売れない、貸せないといった不動産はどうしたらいいのでしょうか。
 
そのような不動産には、「不動産引き取り事業者に引き取ってもらう」という方法が残されています。
条件さえ整えば、最短2週間で引き取ってくれるので、手離れがいいです。
 
このサービスは、所有者が引き取り事業者に対してお金を支払い引き取ってもらうことになります。つまり、有料で処分するということですね。
 
空き家の場合は、引き取り条件が変わるため(立地等によって更地にしてからなど)、事前に引き取り料金の見積もりを取りましょう。
 
弊社の関連会社であるLandIssues株式会社の場合、土地10万円~(別途、所有権移転登記料や維持管理費など)がかかります。
 
サービス説明のサイトです。https://land-issue.com/unwanted-real-estate/
 
前述した『相続土地の国庫帰属制度』による国の引き取り制度と同じようなものですが、大きな違いは、「国の引き取り条件のほうが厳しい!」という点です。
土地の境界が明確であるなど等、整備された土地ではないと国は引き取ってくれません。
 
■関連記事
いらない山林の相続税を払う前に!プロが伝える5つの山林処分方法

 
 
プロサーチ株式会社では、空き家となった実家の売却や賃貸などの無料診断が可能です。
 
売れるのかどうか知りたい、引き取りサービスのことをもっと詳しく知りたいなど、ちょっと質問したいという方はぜひこちらから無料診断をお試しください。
 

 

 
 

 まとめ

 
今回のポイントはこちら。

・空き家を売却や賃貸するときも、それぞれメリットとデメリットがある。空き家の状態や周辺環境などから、手段や時期を慎重に判断し進めることが必要。
 
・空き家を放置することで起こり得る5つのリスクは、「①倒壊等によるリスク」「②維持・管理費の負担」「③近隣住民に迷惑をかける可能性がある」「④売却できない負の不動産を残すことになる」「⑤税制優遇が受けられなくなる」
 
・地方自治体の空き家サポートには、空き家バンクやリフォーム費用の補助、相続土地の国庫帰属制度などがある。
 
・空き家処分の方法には3つあり、「①不動産仲介会社に依頼する」「②不動産買取業者に買い取ってもらう」「③不動産の引き取りサービス事業者に引き取ってもらう」

 
空き家の今後の方針を決めていくためには、不動産調査や、売却査定や有効活用、リフォームなど、総合的に検証するところから着手します。
 
実行に移すまでは年単位で時間がかかることもあります。
不動産の調査や査定など早めに検証のための依頼をして、もし空き家を売却したいのであれば高く売れる準備をしていくことも重要です。
 
空き家のことは、不動産や相続に明るい専門家にご相談されることを推奨します。
 
■関連記事
空き家の実家「貸す」「売る」どちらがいい?判断基準をプロが徹底解説!

 
 

この記事の監修
プロサーチ株式会社 代表取締役 松尾 企晴(まつお きはる)

20歳のとき母方の祖父母を火事で亡くし、祖父祖母の相続では兄妹間の争族に発展。『またいつか』ではなく『すぐにでも』行動しなければならないことや、どれだけ仲の良い兄妹でも揉めることを痛感。会社の事業理念に『家族の物語をつむぐ』を掲げ、不動産等のモノだけではなく、親や子に対する想いや思い出などのコトも含め、家族が織りなしてきた物語(モノやコト)を親から子へと継承していくことこそが【真の相続】と考え、不動産相続のプロとして、お客様の気持ちを聴き、寄り添う姿に多くの顧客から評価を得ている。
現在は全国から寄せられる相続に関する相談の解決に尽力しながら、家族信託の提案や、相続問題解決のヒントをメルマガ・セミナーなどで情報を発信している。

 

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