「不動産初心者」のお客様に安心して不動産投資を行っていただくために、専門家がするべき提案とは?

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2022.11.30

 
相続・不動産の専門家の皆様は、お客様に相続税対策として『不動産投資』をすすめたことはありませんか?
現預金などを不動産に組み換えると相続税が安くなるため、専門家もお客様もよく用いる対策のひとつですよね。
 
そんな不動産投資ですが、メリットの他に気を付けるべき点がいくつもあります。
 
不動産投資経験者ならまだしも、これまでしたことがないお客様に対して「相続税対策にはアパートを購入するのが一番なんです!」と力説しても、そう簡単には納得感を得られないでしょう。
中には、「対策効果があるのは分かったけど、不動産投資ってよく分からないから何となく不安がある」と、適切な情報を得られないままに検討を止めてしまうお客様もいらっしゃいます。
 
本記事では、不動産初心者のお客様に『相続税対策×不動産投資』を提案する際に、専門家が押さえておきたいポイントをお伝えします。
 
 
本記事のポイントはこちら。

・不動産投資の種類は5つあり、それぞれメリットとデメリットがある。
 
・相続税対策に効果がない不動産投資があることを知る。
 
・貸付用の小規模宅地の特例を使うには、相続開始3年前から対策を始めておく必要がある。
 
・対策効果や管理の手間などから、どの種類の不動産へ投資するかを決める。

 
 

 不動産投資の種類

不動産投資
『不動産投資』と名の付く投資は、現在5種類あります。
 

<不動産投資の種類>
①現物の不動産:通常の不動産投資
②小口化不動産:不動産特定共同事業法や信託法で組成された証券化商品
③J-REIT(不動産投資信託):ファンド(不動産投資のプロ)に投資して配当を得るもの
④不動産デジタル証券:ブロックチェーン技術を使った新しい証券化商品
⑤メタバース不動産:仮想現実に作られたデジタル不動産に投資

 
メジャーなものは①や③ですよね。
この他にも小口化不動産やメタバース上での不動産投資などは、最近ニュースで取り上げられ始めています。
 

 相続税対策になる不動産投資と、ならない不動産投資

相続対策の観点から見ると、先程の5種類の不動産投資は、

・相続税対策になる(相続時に不動産評価になる)もの
・相続税対策にならない(相続時に不動産評価にならない)もの

に分けることができます。
 
相続税対策になるのは、従来の『①現物不動産(区分マンションや一棟アパートマンション)』と『②小口化不動産(任意組合と信託受益権)』のみです。
 
その他の『③J-REIT』『④不動産デジタル証券』『⑤メタバース不動産』は不動産評価にならないため、相続税対策にはなりません。
あくまでも、資産を増やす投資手法の一つとして検討するものとなります。
 
皆様がお客様から不動産投資のご相談を受けた際には、その目的や想い、希望を把握した上で選択肢をお伝えし、然るべき専門家と進めていくことが必要でしょう。
 
<不動産投資の選択肢>

 

 
 

 相続対策向けの不動産投資の違いについて

相続対策
それでは、相続税対策に使用できる不動産に絞って、その違いをお伝えします。
 
先に述べたように、相続対策になる不動産は『①現物の不動産』と『②小口化不動産』です。
不動産の種類によって相続税対策の効果が変わります。
それぞれを購入した際の効果やリスクの違い、留意点は以下の通りです。
 

 相続税評価額の引き下げ効果の違い

相続税対策のための不動産投資において、相続税の引き下げ効果は重要なポイントです。
例えば、現預金1億円でアパートを購入した場合と区分マンションを購入した場合、小口化不動産を購入した場合とでは、効果の差に大きな開きがあります。
 
それぞれ1億円の不動産を購入した際の圧縮率と評価額の目安は下記の表の通りです。
 

種類 一棟アパート
一棟マンション
区分マンション 小口化不動産
引き下げ効果
50%~60%
(相続税評価5000万円)
70~80%
(相続税評価2,000~3,000万円)

 
この表から、アパートなど一棟の不動産よりも区分マンションや小口化不動産の方が、相続税の引き下げ効果が高いことがわかります。
 
その理由としては、区分マンション(特にタワーマンションなどの戸数が多い建物)の場合、限られた土地の中に何十世帯もあるため、各区分所有者の土地持分が非常に少なくなるためです。(建物によりますが、1戸あたりの持分は数㎡であることがほとんどです)
小口化不動産の場合は、不動産(マンションやビル、店舗やホテルなど)を口数によって数百人が持つことになるので、上記と同様の理由によって相続税評価が下がります。
 

 投資リスクや管理の手間

初めて不動産投資をする方にとって、一番気になる点は投資リスクかもしれません。
どんな投資にもリスクとリターンは付き物ですので、ポイントを押さえてお話しいたします。
 

空室リスク

空室リスクに注意しなければならないのは、区分マンションです。
満室時の収入を100とした場合、アパートや小口化不動産は全ての部屋が空室にならない限り0にはなりませんが、区分マンションが空室になった場合は収入が0になります。
収入の減少は借り入れ返済にも直接影響しますので、不安に思われるお客様も多いでしょう。
 

管理の手間

不動産投資をする際には、入居管理や修繕などの手間が掛かります。
第三者(管理会社等)に依頼することも可能ですが、最終的な修繕等の判断は所有者(物件オーナー)がしなければなりません。
投資する不動産の種類を、管理の手間が掛かる順に並べると以下のようになります。
 

一棟アパート・マンション > 区分マンション >小口化不動産

 
一棟のアパートやマンションなどは内外装の修繕や入居管理等、全てを所有者の責任と負担によって対応しなければいけませんが、区分マンションは専有部分に関する管理のみとなります。
また、小口化不動産の管理は全て販売事業者が行うため、直接「エアコンが壊れた」などの苦情連絡が来ることはありませんので、管理の手間は全くかからないという点が他の不動産とは異なる特徴です。
 
<まとめ>

種類 一棟アパート
一棟マンション
区分マンション 小口化不動産
圧縮効果
50%前後
(相続税評価5000万円)
70~80%
(相続税評価2,000~3,000万円)
空室リスク
小さい
大きい
小さい
管理の手間
多い
少ない
ない

 

 相続対策で不動産投資をするタイミング

タイミング
不動産投資をする中でも難しいのが、不動産を購入するタイミングです。
『安いときに買って、高いときに売る』これが投資の鉄則と言えますが、その正しいタイミングがわかったら誰も苦労しませんよね。
 
そこで、『相続税対策での不動産投資』に絞って、不動産を購入する際のポイントをお伝えします。
 

 不動産マーケットを知る

専門家の皆様はご存じの方も多いかと思いますが、現在の不動産マーケットは都心部を中心に過熱しています。
特に相続税対策で購入されるケースが多い区分マンションについては、バブル期を超えるほどの高値(港区の新築マンション平均価格は約1億円)で推移しており、一向に下がる気配がありません。
 
<不動産価格が高騰している理由>

1)円安による海外投資家の需要増加
2)コロナ禍による住宅需要の増加
3)コロナをキッカケに相続税対策を検討する人が増加
※ランドマーク税理士法人「相続税における新型コロナウイルスの影響」参考

 
不動産マーケットが過熱しているなら、一度下がるまで待った方がいいのでは?と思われる方も多いでしょう。
 
しかし、こと相続税対策においては、不動産マーケットの変化を悠長に待っていられないケースがあります。
そのポイントは、「一体いつ相続が発生するのかは誰にも分からない」という点と、「税制上の特例を利用するための条件」という点です。
 

不動産相続に関わる税制

不動産相続に関わる税制で重要なのが、『小規模宅地等の特例』です。
 
『小規模宅地等の特例』とは、「被相続人が住んでいた土地や事業をしていた土地について、一定の要件を満たす場合に80%又は50%まで評価額を減額してくれる」という特例です。
 
この特例を、一棟アパートなどの賃貸不動産へ適用したいと考えているお客様の場合には注意が必要です。
賃貸不動産は「敷地200㎡まで評価額が50%減額」されますが、平成30年度の税制改正により、「相続開始前3年以内に宅地等を新たに貸付事業の用に供した場合」には、貸付事業用宅地等の特例は適用できなくなりました。
 
相続がいつ発生するかは誰にも分かりませんから、既に3年以上前から賃貸事業を行っているお客様については問題ありませんが、これから相続対策を行いたい、一棟アパート等を相続対策で購入したいとお考えのお客様の場合は、今すぐにでも対策をする必要があります。
 

  「不動産初心者」でも安心して
  相続対策が出来る投資手法

初心者
ここまでのお話をお伝えしたときに、「不相談投資や相続税対策の理屈は理解したけど、実際に投資したことがないし不安」というお客様に選択肢の一つとして特にお伝えいただきたいのが、『小口化不動産』です。
小口化不動産は、都心の一棟ビルなどの権利を少額の口数単位で購入することが出来るものです。
 

<小口化不動産をおすすめする理由>
・物件選びがしやすい
 ⇒一等地の不動産のため、良し悪しが判断しやすい
・投資リスクが少ない
 ⇒収益が0‐100にならない   
 ⇒一等地のため空室リスクや資産価値下落のリスクが少ない
・すぐに投資することが出来る  
 ⇒通常の不動産取り引きは3ヶ月以上かかるが、小口化不動産の取り引きは早ければ2週間程で完了できる
・小額から始めることが出来る(一口100~1000万円)
 ⇒投資を始めるハードルが低く、追加投資も容易にできる

 
■関連記事
税理士も興味津々! 生前贈与や相続税対策を考えている人にピッタリ!『小口化不動産』の5大メリット

 
 
『小口化不動産』を知っていただくことで、皆様のお客様の中で不動産による相続対策や投資をお考えの方の、選択肢の幅が広がるのではないでしょうか。
 
◇相続対策をしたいけど、不慣れな不動産投資には少し抵抗がある。
◆相続対策をしながら、次世代に維持管理の負担がないものを残したい。
◇次世代に早めに資産を承継(贈与)していきたい。
◆不動産投資をしたいが時間と手間を掛けたくない。
◇限られた予算でも、立地のいい不動産に分散投資したい。
 
上記のようなお客様がいらっしゃいましたら、是非『小口化不動産』をご提案ください。
 
 

 遺産相続コンシェルジュより

 
本記事のポイントはこちら。

・不動産投資の種類は5つあり、それぞれメリットとデメリットがある。
 
・相続税対策に効果がない不動産投資があることを知る。
 
・貸付用の小規模宅地の特例を使うには、相続開始3年前から対策を始めておく必要がある。
 
・対策効果や管理の手間などから、どの種類の不動産へ投資するかを決める。

 


プロサーチでは、不動産・相続初心者のお客様にも安心して投資していただけるよう、分かりやすい提案を心掛けております。
 
・投資目的のヒアリング、整理
・不動産投資の選択肢や、メリット・デメリットの説明
・投資のタイミングや税制のメリット
・お客様の目的などに合った投資手法の提案
 
皆様のお客様になかなか相続対策が進まない方がいる、または相続対策の進め方や提案の仕方がわからないというお悩みがございましたら、ぜひ一度プロサーチにお問い合わせください。(記:友重孝一朗)

 
 

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