事前の準備がいかに心の安心をもたらすか!

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事前の準備がいかに心の安心をもたらすか!写真
相続発生!!

「高橋さん、先週親父が亡くなったんだ。相続の手続きを始めなきゃいけなくなったから、またアドバイスくれないかな?」この電話の主は、私のお客様であるAさん。昨年、物納検証レポートから始まり、不動産相続対策・納税戦略レポートの受注をし、近い将来起こるであろう90歳のお父さんの相続に向けて多くの提案と実行をしてきたお客様だ。そして最初の出会いから約半年が経った今、ついに相続が発生してしまった。

私がAさんと最初に出会ったのは某証券会社で行った「物納」がテーマのセミナーだった。Aさんは、売却時価よりも相続税評価額が高いと思っていた都市計画道路予定地の駐車場を相続の時に物納したいと考えていた。そこで、まずは物納自体が可能かどうかの検証レポートを受注することになった。

相続を成功へ導くプロサーチレポートとは!?

物納ができない?ならば次なる一手は!

まず物納は「現金」があるとかなり難しい。Aさんは相続財産と自身の預貯金等をあわせると手元に多くの現金があったため「金銭納付困難事由」により物納することは困難であると判定した。そこで物納はあきらめ、都市計画道路予定地の駐車場を生前に売却してはどうかと提案した。仮に評価額以下でしか売れない場合でも、売って現金にしておけば、本来の時価に近い適正な評価で相続税が課税されることになるし、納税財源として現金が手元に残る。私は「まずは売却活動をしてみて、結果を見た上で判断しましょう」と話をした。それを聞いてAさんもすぐに了承し、売却活動を開始した。

結果はなんと…評価額を大きく上回る価格での買主が現れたのだ。都市計画道路でも、近年中に道路計画が実行される可能性が極めて低いことがその要因だった。その結果を踏まえて再度レポートを作成し、①売ったお金を住宅資金や教育資金の非課税枠を使ってうまく贈与することによって譲渡税を含めても今売却する方が総合的に支払う税金が少なくなること②現時点で確実な納税財源を手元に残せる安心感は何よりも変え難いこと、を伝えた。このレポートが決め手となり、Aさん一家は今すぐに、都市計画道路が設定されている駐車場を売却することにした。駐車場売却後も、資産全体についての分割方法や納税プランなどを継続的にレポートで報告をした。Aさんは毎回、目を鱗にして真剣に私の話を聞いてくれた。そして、対策としてできるものはすぐに実行した。今となっては、その時にすぐ行動に移してくれたことで、大きな効果が得られたと確信している。

反省…お客様の背景をきちんと把握することの重要性

お父さんの相続が発生したのはその駐車場の決済が終了してから数ヶ月後のことだった。私はお父さんが亡くなった数日後に、お線香を上げるためにAさん宅へ伺った。お父さんの遺影が置いてあった場所はA家代々の本家だった。各部屋から見える日本庭園の景色がなんとも素晴らしい。建物は伝統のある日本建築で、玄関は料亭を意識して作ったというこだわりの空間だった。

もしも相続税を支払うためにこの家を壊して売ってしまったら、もう二度とこんな空間は作れないだろう。この家はA家代々の心の資産として代々承継していきたいとのこと。もともと本家を残したいという話は聞いており、本家を残せるように全体プランを考えてきたが、レポートを作成していた時は、古い建物で人に貸すことも難しい、今後住む予定もないのに固定資産税と維持費がかかり続ける本家をなぜ残したいのかよく理解できていなかった。しかし実際に、その空間を体感して本家を残していきたいという気持ちが痛いほどよくわかった。私は本気でAさんのことを理解していなかったのだなと改めて反省した。

相続発生!しかし慌てる様子がない、その秘訣とは!?

既に相続が発生している今、Aさん一家は何一つ慌てることはない様子である。今まで相続発生後から仕事の依頼を受けたケースだと「これから納税はどうすべきか」「どこの不動産を手離さなくてはならないのか」など、とにかく不安でいっぱいになっているお客様をたくさん見てきた。しかしAさん一家からはそんな様子は微塵も感じない。なぜなら、プロサーチレポートによって、相続税がどのぐらい必要でどこを納税財源とすれば納税が間に合うかということが、現時点でほぼ完全に把握できているからである。今のイメージだと、本家を残すことは確実にできる。あとは本家周辺を含めた土地や他の財産をより効率的に残していく手段だけを考え実行すればよいのだ。

プロサーチレポートが一家のバイブルに!

「プロサーチさんが作ってくれたレポートがA家の相続バイブルだよ。実はこれを使って俺が今までに2回、兄弟夫婦と息子たち全員を集めて家族で相続勉強会を開いたんだ。プロサーチの説明がわかりやすかったから、それを参考にみんなに同じ説明をして、家族全員が今回の相続に対しての問題点とやるべきことを理解して共有することができた。分割の方法や納税財源をどうするかも、事前にみんなと話をしてそれぞれが納得できているから、あとは申告期限までに、粛々と手続きを進めるのと、本家のある自宅回りをどう残すかについてより効率のいい方法を考えていくだけだろ。だから今は本当に安心だよ。これも全てこのレポートがあって、しかもわかりやすく説明してくれたおかげだよ。本当にお願いしてよかった。ありがとう。そして引き続き手を抜かずによろしくな!」とAさん。

我々の作ったレポートが家族と話すきっかけの材料、そして話合いの基礎となり、相続に対する家族全員の理解を深めると共に、A家の相続全体方針の決定に大きく役割を果たしたとのことだった。それを言葉として聞いて私は本当に嬉しかった。そして今回は相続税の申告も弊社紹介の信頼のおける税理士事務所にご依頼いただくことになった。私達と共通の意識を持って仕事を取り組める税理士事務所に依頼して頂いたことで、今後もよりAさんにとってメリットのある申告ができると確信している。

遺産相続コンシェルジュからのアドバイス


プロサーチはお客様のお話をじっくり聴き、背景を理解したうえで、出来る限りご要望に沿う提案ができるように常に心がけています。作成するレポートはその提案の補助的なものではありません。なかなか相続の話を切り出すきっかけを見出だすことができないときは、このレポートが相続と向き合ってもらうきっかけとなることを考えて作成に取り組んでいます。相続対策はまず関係者が相続と向き合うことから始まるのです。そして今できることから一歩ずつ踏み出していくといことが円満相続の近道となります。(記:髙橋大樹)

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