プロサーチが感じた不動産と家族信託の現場!この1年でどう変化したのか?
今年も残すところあとわずかとなり、平成最後の年越しを迎えようとしています。
振り返ると、過熱していた仮想通貨の暴落(2018年1月では1ビットコインあたり240万⇒現在40万)から始まり、築地市場の豊洲への移転実行、カジノ法の成立、日産・ルノー(カルロス・ゴーン氏逮捕)問題など様々な出来事が起こりました。
皆さんはどのようなことに関心を持ちましたか。
今年最後のメルマガでは、不動産や相続に関する話題をいくつかピックアップしながら、今後の動向を踏まえた私見をお伝えしたいと思います。
今年1年の不動産業界の動き
仲介手数料率の一部改正(売買価格400万円以下の場合)、民泊新法の設立、アパート建築での手抜き工事問題、地面師による詐欺など、今年もいろんなニュースが不動産業界を駆け巡りました。その中でも、なんといってもシェアハウス問題をきっかけにした『スルガ銀行による不正融資』が、これから不動産業界を始め関連業界へ大きく影響してきそうです。
また、昨年まで景気の良かった不動産業者の声も徐々に鳴りを潜め始めました。不動産への融資条件が厳しくなってきた、土地が高すぎて買えない、土地情報が少ない…など、今年は周囲からもネガティブな声が聞こえるようになってきました。
『銀行融資がつかない。不正融資があった影響なのか銀行審査が厳しすぎる』
『完成在庫に頭が痛い。仕入れはストップしている』
『自社商品を販売したいが、お客様の融資がつかない。本当に危機的状況』
『都心の収益物件の利回り感は横ばいだが、埼玉・神奈川等は値崩れが始まっている』
『融資審査が厳しくなった。売りたいのに、買手さんの融資がでなくてキャンセル続きだ』
『今までが異常なくらい高かった。そろそろ正常に戻るイメージ』など。
このように金融機関の融資引き締めは、ダイレクトに不動産市況に影響を与えます。また、収益不動産以外でも、ある大手戸建デベロッパーは、近年まれにみる販売在庫激増により徒歩10分以上のところは土地を買控えているとのこと。
ここ数年で、あまりにも高騰し続けたマーケットに冷や水がかけられたことは間違いなく、2019年の不動産マーケットも決して楽観視できるものではないでしょう。
不動産業界もいよいよ正念場!
不動産業界は驚くほどアナログな業界です。FAXを未だにフル活用するところもあれば、足で稼いでなんぼという風潮はまだまだ変わる感じはありません。
そんな中でも、重要事項説明をWeb上で完結できたり、ビックデータの活用によりインターネット上で自分の所有する不動産の価格を簡単に調査できるようになったり・・・一般エンドユーザーの方でも今まで手に入りにくかった不動産の情報を簡単に取得できるようになってきました。
その結果、不動産会社とお客様との『情報格差』がなくなり、単純にこれらの情報量だけに頼って活動をしている不動産会社の多くは、存在価値がなくなっていくでしょう。
私たち不動産会社は、宅建業法で決められた手数料率で商売をします。仕事の質に関わらず、売買が成立さえすれば、売買金額に応じて決まった報酬額がもらえるのです。そのような手数料商売は果たして今後も続くのでしょうか?
もしも将来、『仲介手数料率は撤廃!自由化します!』というように宅建業法が変わったとすると、大多数の不動産会社が料金の安さに走らざるを得なくなるでしょう。その結果、自分の首を絞めることになり、不動産会社は淘汰されていきそうです。『高い報酬を払ってでも頼みたい!!』と選ばれる会社を目指さなければいけません。
いま不動産業界は正念場なのです。
専門性を高めることは当然ですが、『お客様の不安や悩みを解消し、喜ばれるためには何をすべきか』を徹底して考え、サポートに尽力し、期待以上の価値を提供しなければなりません。単純に不動産を売る買う(貸す借りる)だけを提供していれば良い時代はもう終わりを迎えるでしょう。
「家族信託」だけではビジネスにならない!?
私どもが「家族信託」に注目し、着手してから6年が経ちました。いまではテレビや雑誌で取り上げられることも多くなり、扱う専門家も増え、ようやく一般家庭にも知られるように普及してきたなと実感しています。
「家族信託」の現場にいると『家族信託は儲かるんですか?』というような質問を受けることが多々あります。その質問に対して私たちは 『家族信託だけではビジネスにならない』ということを伝えています。そういう質問をされる方は、そもそも家族信託だけで稼ごうという考え方の根本が間違えているのではないかと思います。「家族信託」はあくまでも、お客様の希望をかなえる手段の一つでしかなく、商品売りのように話をするものではないと思います。
「家族信託」をきっかけの一つとして、お客様の問題解決に取り組むこと、そしてその結果が自分たちのビジネス(本業)に繋がるのではないでしょうか?
遺産相続コンシェルジュからのアドバイス
今、なぜこのような状態になっているのか、どうして問題が起こったのか・・・全てそこには原因があります。今年目立ったシェアハウス問題では多くの人々に迷惑がかかり、不動産業界に対して悪いイメージを持たれた方も多いかもしれません。こうした問題は業界にかかわる関係者全員で力を合わせて解決していく必要があるでしょう。
そしてこのような業界のイメージを払拭するためにも、また世の中から不動産や相続のことで困るお客様を一人でも少なくするためにも、わたしたちプロサーチは不動産・相続のプロとして、今後も正確で役に立つ情報提供と問題解決へのお手伝いを行っていきます。
2018年、大変お世話になりましたが、来年もプロサーチをどうぞ宜しくお願い致します。(記:山内綾子)