2017年の不動産・相続業界の振り返りと、2018年のプロサーチの抱負

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2017年の不動産・相続業界の振り返りと、2018年のプロサーチの抱負写真

今年もあとわずかで終わります。
 
振り返ると2017年も私たちが主戦場としている不動産・相続業界において、今後のビジネス環境を揺るがすような大きなニュースや出来事が多々ありました。
その中でも、私たちが注目した5大ニュースをテーマに、今年を振り返りつつ、来年の抱負をお伝えしていきたいと思います。
 
 

2017年 私たちの注目した不動産や相続に関する5大ニュース

①大手賃貸アパート会社に対する集団訴訟


<内容>
2016年11月以降、とある大手賃貸アパート会社に対して数十人規模の集団訴訟が相次いで起きました。
「相続税対策」で「家賃保証」という甘い言葉に乗ってアパートを建築したものの、家賃の減額を半ば強制されるなど、トラブルになっています。
サブリース契約を結んだ際、30年間は賃料が減少しないとの説明があったのに、リーマンショックなどをきっかけにして10年未満で減額されたオーナーが多数いるようです。
 
<総評>
今もなお、「相続税対策」をきっかけとして、あらゆるところでアパートの新築が続けられていますが、少子高齢化・空き家問題を抱える日本において、果たしてアパートの供給はこれ以上必要なのでしょうか?
「アパート建築による相続税対策」が誰でも成功していた(ように見えていた)のはもう過去の話。私は大丈夫!という方が一番アブナイです。
私たちは正確な情報と正しい判断基準をもって、お客様が将来に渡って幸せになる提案をしていかないといけないと改めて実感させられるニュースでした。
 
 

②最高路線価、バブル期超え


<内容>
2017年も路線価の日本一は銀座の鳩居堂前となりました。1平米当たりの価格は、昨年より26%上昇し4,032万円と、ついにバブル期のピークだった3,650万円を突破し、過去最高値を更新しました。
鳩居堂前の路線価は、3年連続で2ケタ上昇が続き、2014年からは7割も伸びています。
公示地価の全国最高値は、同じ銀座の中央通り沿いに建つ山野楽器銀座本店になります。1平米当たり前年比25.9%上昇の5,050万円と、こちらも過去最高を記録しました。
 
<総評>
このニュースを聞いて、皆さんはどう思いましたでしょうか?まだまだ不動産の価格は伸びる?それとも既にピークに達している?
相次ぐ再開発事業の影響もありますが、とてもこの状況が長く続くとは思えません。
しかしながら、一等地の不動産は価値が高いということを改めて認識させられます。
資産の組み換えなどで不動産の購入を検討する方の多くは、都心の不動産を希望されるのですが、都心の不動産は高すぎて買えないというのも現実です。
 
そこで新たな相続対策の商品の一つとして出てきたのが「不動産の小口化商品」です。都心の一等地の不動産に対して500万円程度から投資することができます。
しかも購入した不動産の小口化商品は、貸付用不動産として相続税評価できるため、相続税対策にもなり、複数購入することにより将来の遺産分割の方法の幅も広がります。
今後はこうした一等地の不動産をシェアするという方法も一つの相続対策の手法となり得るでしょう。
 
 

③「家族信託」の認知度の加速


<内容>
今年は、NHKや朝の情報番組、雑誌や新聞など「家族信託」が多くのメディアに取り上げられ、専門家は勿論、一般のお客様にもこれからの相続対策には欠かせない手法として認識され始めたのではないかと思います。
 
<総評>
弊社へも、一般の方や専門家からの「家族信託」に関するお問い合わせが今年は爆発的に増えました。
その一方で「家族信託」の正確な情報や具体的にどのように「家族信託」を検討すべきなのかなど、実務レベルで言うと、まだまだ一般のお客様にも専門家にも浸透しきったとは言えません。
高齢の親の財産管理において「家族信託」は知っておくべき手法の一つであることは間違いありません。
相続に関わる専門家としては、「家族信託」を知っていることはもちろん、「家族信託」を組成するための専門家ネットワークの構築が必要不可欠となるでしょう。
 
 

④「広大地評価の廃止」と「地積規模の大きな宅地の評価の新設」


<内容>
2017年限りで広大地評価の廃止が決まりました。
改正後の評価方法は、現行の広大地評価と比較すると課税が強化されるケースが多くなると想定されます。加えて、都内の不動産の場合は数年前と比較して、路線価が上がっているケースも多くなっています。
ですので、広大地評価の適用を前提として相続税のシミュレーションを行っている地主さんは、改正後の評価方法、直近の路線価で改めて相続税シミュレーションをする必要があります。
場合によっては、今まで行ってきた相続税対策では、納税財源が賄えない可能性も十分に出てくると思われます。
 
<総評>
私たち専門家の立場としては、今までの広大地に該当する土地資産をお持ちの方に対して、この機会に改めて資産状況の見直しを提案すべきです。
また、地積規模の大きな宅地の評価の新設はデメリットばかりではなく、評価方法が明確になったからこそ出来る対策方法もありますので、それを含めた新たな対策案を練り直す必要があります。
 
 

⑤地面師による63億円詐欺事件


<内容>
大手住宅メーカーがマンション建設用地として東京都内の土地を70億円で購入し、うち63億円を既に支払ったにもかかわらず、法務局から書類偽造を理由に所有権移転の登記を拒否された事件です。
本人確認書類などを偽造して他人の土地を無断で売却する「地面師」による詐欺被害であると考えられています。
大手住宅メーカーですら見抜けない巧妙な手口ですので、この件に対する対策は簡単ではないというのが実態です。
 
<総評>
特に相続問題に関わる不動産案件では、不動産所有者の方がご高齢であるケースも多く、代理人の方が対応することもしばしばあります。
今後の不動産取引においては、より厳格な本人確認を行うのはもちろんのこと、信頼関係の確かな不動産会社との連携がこれまで以上に重要だと感じました。
 
 

来年以降の不動産市況はどうなる!?

この様に今後の不動産・相続業界を揺るがす大きなニュースがいくつか見受けられた中でも、今年1年間の不動産市況は日経平均と同じく大きく下落することなく続伸したと感じられます。
来年は様々な金融アナリストさんの見解を参考にすると、今年と変わらず横ばいの市況になるという見方も多く、消費税増税(2019年の予定)前の駆け込み需要も景気の後押しをするかもしれません。
 
しかしながら、来年後半から再来年は駆け込み需要の反動、不動産過熱による融資引き締めもあるのではと囁かれていて、そうなると不動産は大きく下落する可能性が高いでしょう。
こうしたことも踏まえると、相続対策を中心として不動産の売却や資産の組み換えを考えている方にとっては、来年(できれば早め)が最後の「売り時」となるかもしれません。
 
 

◆2018年のプロサーチの目標


・「家族信託」を中心とした、家族内で安心した財産管理・承継を実現するための提案と実行のお手伝いの質を高める
・お客様の理想の相続、承継を叶えるための相続対策&不動産コンサルティング知識の向上
・資産家の方の相続・承継問題解決に役立つための様々なコンテンツの提供
(最新の不動産相続対策セミナーの開催、地主さん・家主さん向け後継者育成講座の企画、不動産小口化商品の提案、2022年生産緑地問題に対する取り組みなど)
 
 
今年、トライ&エラーを繰り返しながら作ってきた各種コンテンツを、来年以降は具体的な相続・承継問題解決のための提案ツールとして、皆様と一緒にお客様に提供してまいります。
 
まずは年明けの1月24日(水)に、税理士様向けの最新不動産相続対策セミナーを開催いたします。
ご興味のある税理士様は、下記リンクよりお申し込みください。

 
来年も引き続きよろしくお願いいたします。
 
 

【遺産相続コンシェルジュからのアドバイス】


相続や承継問題の解決をするだけではなく、お客様の叶えたい未来を実現する企業として、プロサーチは来年も皆様の力をお借りしながら、発展していきたいと考えています。(記:中田千太郎)
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