相続対策完了していても見直し急務!?これからの時代に沿った追加対策とは

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アベノミクスが始まって今年で5年。
それに伴い企業業績の回復や資産価格は上昇、特に不動産価格の上昇は著しい。
先月の路線価発表を見る限り、その傾向は今後も続いていくだろう。
 
そんな中、過去に弊社で相続対策をおこなったお客様から依頼があり、財産評価を再試算した。
その結果は皆が驚くものだった…。
 

路線価の上昇と相続対策の見直し

多くの資産家にとって気になるニュースの一つが、先月発表になった路線価だ。
 
今年、東京都心部の路線価はバブル期を超え、4年連続で上昇している。
(平成29年度路線価の内容については こちらを参照)
 
 
路線価が発表された直後、弊社の顧客であるAさんの息子さんから連絡が入った。
 
「今年の路線価みたよ、驚いたね。うちは以前、相続対策をやっているけど、今資産がどうなっているかが心配で…もう一度見てもらえないだろうか」
 
Aさんは、世田谷にお住まいの地主さんで、5年前に弊社で相続対策のコンサルティングをし、「節税・納税・分割」対策は一段落していた方だ。
「家族信託」も締結していたが、Aさんは2年前に認知症と診断され施設に入っているとのこと。
そのため、今回は受託者である息子さん3人と相続対策の見直しを進めることになった。
 
 

 
 
早速、資料を基に現在の財産評価の試算をおこなったところ、下記の事実が判明した。
 
 
<試算結果>
相続税評価額が5年前より1億円も増えていた!!

<増えた原因として考えられること>
①所有している不動産(自宅や収益不動産)の路線価が、当時から平均15%も上昇!
②底地の買換えで購入した収益不動産3棟の賃料収入で預金が約5,000万円増!
③保有株式(日本株)の価格が平均で1.5倍!

 
この結果を受けて、息子さんは資産が増えたことは喜んだが、すぐに
「でもこれだけ増えたら、追加で相続対策を考えないといけないですよね…」
 
それもそのはずだ。
もしAさんが亡くなった時の相続税率は50%。
今回の評価上昇分で考えると単純計算でも約5,000万円も相続税が増えてしまうためだ。
 
とはいえ、追加で相続対策を考えるにも課題はある。

・これまで行ってきた相続対策を崩さず、どうマッチングさせるか
  ⇒現状、保有している不動産を活用するのかどうか
・金融資産をどうするか
  ⇒相続対策として活用するか、納税対策として保有していくか
 
息子さんと話し合い、これまでおこなった相続対策はそのまま(分割のこともあり、保有している不動産は動かさない)で、賃料収入で増えた約5,000万円に対して、不動産を使って相続対策をおこなうことになった。
(保険や贈与の特例は使用済み。また株式については、配当利率も良く今後も上昇を見込めるとの考えから、見直す時期を改めた)
 
不動産を使った対策案として、相続人が3人であるため、分割・節税対策を考え中古の区分マンションを3戸(1,600万円/戸ほど)購入する方法が上がった。
※主要な駅徒歩10分以内、築年数もなるべく浅く修繕等の手間が掛からない物件をセレクトする。
 
しかし近年、新築マンション価格の上昇に伴い中古マンション価格も上昇(23区で5年前より約30%も上昇)しているため、なかなか上記条件を満たす物件は少ない。
 
 
そこで次にご提案したのが、不動産の小口化商品だ。
(不動産小口化商品についての概要は こちらを参照)
 
小口化商品は、銀座や表参道など都心の一等地のビルや商業施設に小口(一口100~1,000万円)で投資ができ、かつ現物の不動産を購入する場合と同様の不動産評価の適用が受けられる。
 

不動産小口化商品を使った相続対策提案の概要

<対策>
■信託財産の預金:5,000万円を使用
■1,000万円/口の小口化商品を3口、100万円/口の小口化商品を18口購入

 

 

<相続対策効果>
■相続税評価額の圧縮効果:5,000万円⇒約1,000万円に減少
■収益:約130万円UP(手残り)
■相続時、各相続人に評価も収益も平等に分けることが出来る
(相続人3人に対し、一人当たり1,000万円/口を1口、100万円/口を6口ずつ相続)


 
相続対策以外にも、小口化不動産であればテナントや管理会社の選別、コスト管理や修繕など、わずらわしい賃貸管理や運営はプロ(事業者)に任せるため手間が掛からない。
Aさんの息子さんたちも少なからず不動産経営に負担を感じていたため、負担を増やさずに相続対策が出来ることにメリットを感じ、この対策を実行していくことになった。
そして今後、溜まっていく収入に対しても、一部投資をしていきたいと話していた。
 
今は何でもシェアする時代、こうした不動産のシェア(小口化不動産)も、お客様の状況やニーズに合わせた相続対策の新たな選択肢の一つとなり得るのだろう。
 
 
相続対策を終えている方は数多くいると思う。しかし、見直しをしている方はどれほどいるだろうか。
『ウチは(あのお客様は)対策終わったから大丈夫!』と思っているなら要注意だ。
 
必ずしも追加で対策が必要というわけではないが、変化し続ける現状をしっかり把握し、いざという時に困らないよう、例えば年に一度、路線価発表時に定期的な資産診断をおこなっていく必要があるだろう。
 

【遺産相続コンシェルジュからのアドバイス】

 

東京の中心部では、観光客の増加や海外・リート等の投資マネーの流入、オリンピックに向けた開発等も進んでいるため、来年以降も路線価は上昇していくことが見込まれています。
特に東京に不動産を多く所有する資産家を顧客にお持ちの専門家の方々は、来年も上昇することが予想される路線価等に備えて、今のうちにもう一度資産の見直しをご提案してみてはいかがでしょうか?
プロサーチでは、今回ご紹介した小口化不動産はもちろん、お客様のニーズに合わせたご提案をすることが出来ます。いつでもお気軽にご相談ください。(記:友重孝一朗)

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